リュシーメソッド第3回公開講座
2018-10-12


2018年9月26日(水)国立のAIスタジオで第3回リュシーメソッド公開講座が開かれた。
今回のテーマは「小さなルバート」で、リズム内部におこるルバートの構造を解説していただいた。これはマティス・リュシーの本にはなく、稲森訓敏先生の研究による独自のものなので、今回の講座はこれが聞ける貴重な機会だった。

頂点にむかってaccel.し下りはrit.するという前半a、後半rの法則。
最初と頂点と終わりにrit.、その途中は登りも下りのaccel.する山登りの法則。
これにパセティックアクセントやイクタスがあるときの法則。
音の長さによるa.と.r.の変化。

今までは感覚的に処理するほかなかったことがらだが、なるほどと思うことばかりだった。このように明快に捉えれば、もっと表現が明瞭で豊かになるに違いない。
しかし、ひとりひとりがその音をどのようにイメージするかが問われるところでもある。個性がでるところでもあり、センスが問われるところでもある。講座の資料としていただいたいろいろな譜例をもとに、まずはコツコツと理解を深めたいと思う。
先生が、風のそよぎ、水の流れなどのように自然は常に変化し同じことはおこらない、とおっしゃったのが印象的だった。楽譜に記された音を細やかに変化に富んだ演奏として再現したいものだ。

ジャズバラードの場合は、ルバートとして大きな共通点はありながら、メトリックアクセントは2,4拍と決定的に違う。フレーズの細かい部分でもアクセントの位置が違う。リュシーメソッドのように明瞭に把握できるとよいと思うが、これは一筋縄では行かない。 (茂木千加子)

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         「音楽リズムの表現法」稲森訓敏著(中央アート出版社)
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         「音楽のリズム」稲森訓敏著(中央アート出版社)
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